霞ヶ浦には、土浦入、高浜入の二つの大きな入り江の他にもいくつかの小さな入り江があります。その中でも古渡入(ふっといり)は、景観の美しさの点で随一といっていいでしょう。「ふっと」という地名の響きが印象的なこともあって、この地名を聞いた人なら誰もが心に留めることでしょう。余談ながら、古渡という場所は、入り江を挟んで稲敷市(旧江戸崎町)側と稲敷市(旧桜川村)側に分かれています。入り江が稲敷市(旧江戸崎町)と稲敷市(旧桜川村)の境界にもなっています。古渡の入り江は、そのまま小野川へと連続していきます。この入り江の幅の最も狭いところに古渡橋がかかっています。現在、古渡橋は老朽化し、通行車両に制限が加えられています。この橋から眺める景観は素晴らしく、護岸堤防ができる以前の風景はさぞかし見事なものであっただろうと思われます。この橋は、在りし日の霞ヶ浦湖岸の雰囲気を伝えており、今後ともこの橋が保存されることを願いたいものです。
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