小網屋に面する土浦高架道の上階からは、大和町(前方方向)から川口一/三丁目(現在位置)にかけての市街の構造をよく見通すことができます。三角形の角地に位置する武蔵屋の後ろにそびえる東武ホテルが視界を遮っていますが、道筋と旧川口川の川筋の輪郭は把握することができます。駅前通りに小網屋の店先が緩やかに突き出て、通りがこの出っ張りを緩やかに迂回している状況がよくわかります。近世の土浦の地図を見ると、旧川口川の川筋は小網屋の前で蛇行し、小網屋がかつての川口川河岸に位置していたことがわかります。明治年間、土浦駅が建設された後、駅とこの小網屋の間に新たな駅前通りの道筋が形成され、駅前通りは小網屋の出っ張りから川口川河岸の道筋へと連結したようです。近世から明治にかけて形成された道が現在に至っています。
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