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霞ヶ浦の自然 かすみがうらネット 鈴木康夫 kasumigaura.net

桜川の桜と磯部稲村神社・紀貫之歌碑

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(登録日: 2006/04/01 更新日: 2011/12/10)

    桜川の桜と磯部稲村神社・紀貫之歌碑

磯部稲村神社

景行天皇四十年十月、東夷平定の大任を遂行された日本武尊が武甕槌の御神跡のこの清地に於いて、伊勢の大神と鹿島の大神のご加護を奉謝し、鎮斎されたと伝えられる古社で、降って成務天皇の代、稲置によって宮居が整えられたと推考される。鹿島を去る十七里、常陸の北西境の鎮護社である。鹿島の要石は大鯰の頭を押さえ、当社の要石はその尾を押さえているとその石は、本社の戌亥間の所にある。文武天皇大宝二年勅命による再建。永亭元年関東管領足利持氏二十五貫文寄進。大永二年伊勢郡司大岡住平重治嫡子島永日向の守治重、嫡孫島永遠江守家氏再建。天文八年二月佐竹左京大夫造営、神主磯部隼人佐代(棟札)元亀元年三月二十五日宇都宮広綱造営、祐貞代(棟札)慶長十年十月稲村分郷磯部村と改名。同十四年春修造、祐親代(棟札)慶安二年九月井上河内の守再建、祐家代(棟札)延宝五年夏井上相模守正伍再建、祐治代(棟札)元禄七年四月水戸藩主徳川光圀公御社参、社宝の品々御上覧、その後水戸公より下賜品拝領。元禄九年十月二十一日領主内藤式部少輔正友侯、新開高十五石二斗五升二合寄進あり。これは天正中秋田氏結城氏合戦の際磯部越前の守忠光、秋田氏についたが敗戦し且社領も激減されてをったことを憂いての美挙であった。
明治6年境内の神宮寺を馬場先に移転。同年村社に列格、明治十四年四月九日祠掌磯部祐光近村人民一同神祗官へ請願、同年九月十四日庶第七四七号を以て郷社に昇格。同四十二年六月二十九日火災にて社殿焼失。以下を省く
【茨城県神社誌・茨城県神社庁・昭和48年発行。】

国指定 史跡名勝天然記念物指定桜川の桜・・千年以上前から桜の名所・磯部稲村神社


国指定
 史跡名勝天然記念物指定桜川の桜(一)
指定年月日
 大正一三年一二月九日(内務大臣)
桜種類
1、桜川匂 2、樺匂、 3、初重桜 4、初見桜 5、大和桜 6、源氏桜 7、白雲桜 8、薄毛桜 9、青桜 10、青毛桜 11、梅鉢桜 以上11種
天然記念物指定 桜川の桜(二)
昭和四十九年七月十六日(文部大臣)


桜のコレクションは千年以上の歴史があり、世阿弥作の謡曲”桜川”で有名である。水戸黄門もこの神社を何回か訪れここの桜の苗木作りを依頼、水戸の桜川へ植えた。徳川家では江戸の飛鳥山や小金井へここの桜を植えたと云われる。
山桜系の選別品、変わり品種が多くソメイヨシノのあとこれらの品種が見頃になる。境内には桜の木肌とは思いがたい黒く細かく荒れた桜が数多く見られる。また、桜の木の一部にはシダ植物の”のきしのぶが”付着している。


茨城県神社誌に〔桜川12品〕、〔桜川夜景〕あり。桜川夜景には桜川帰帆、稲村落雁、棟嶺夕照、鏡池夜雨、樺山暮雪、桜橋晴嵐、姥ヶ塚秋月、月山寺晩鐘、があり。

                
 
糸桜と紀貫之歌碑・つねよりも 春になれば さくら川 波の花こそ まなくよすらめ(後撰和歌集)

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記録日: 2006/04/04 磯部稲荷神社、馬場

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記録日: 2006/03/31 桜川磯部磯村神社
櫻川夕景・(桜川夜景より棟嶺夕照)
(5件)
01 桜川夜景より棟嶺夕照1 02 桜川夜景より棟嶺夕照2 03 桜川夜景より棟嶺夕照5 04 桜川夜景より棟嶺夕照4
05 桜川夜景より棟嶺夕照5

磯部稲村神社
(4件)
01 磯部稲村神社 02 磯部稲村神社2 03 磯部稲村神社土桜 04 鹿島神社

紀貫之歌碑
(2件)
01 紀貫之歌碑 02 紀貫之歌碑説明文

(1件)
01 謡曲『桜川』説明版

(8件)
01 磯部稲村神社入り口 02 神社入り口案内板 03 神社縁起・神社入り口 04 桜の案内図・神社入り口
05 桜の案内図・神社入り口2 06 糸桜入口 07 白山桜・太幹 08 諷咏堂桜川顕揚記念碑(石倉翠葉)

糸桜と江戸彼岸桜・ソメイヨシノと比較すると花がやや小型
(5件)
01 糸桜 02 江戸彼岸桜 03 江戸彼岸桜 04 糸桜と江戸彼岸桜
05 江戸彼岸桜の幹

磯部桜川公園の桜(早咲き系)

磯部桜川公園 山桜の名品種満開 桜川市2008のページへ 

(6件)
01 磯部桜川公園の桜 02 磯部桜川公園の桜 03 磯部桜川公園の桜 04 磯部桜川公園の桜
05 磯部桜川公園の桜 06 磯部桜川公園の桜

(5件)
01 案内板・桜川 02 桜川公園案内板 03 記念碑・桜川 04 いしぶみ
05 桜川の桜記念碑

水戸源黄門、笠間、牧野貞喜が荒廃を惜しむ。加藤櫻老が保存法を講ず。諷咏堂 石倉翠葉が著名文学者と交流桜川を興す。


文学者、俳人石倉翠葉句碑・桜川事跡考の著者

桜魚 掬はば(すくわば)はなとなりぬべし


石倉重継は明治8年10月30日笠間藩士石倉又一の長男として西飯岡で生まれた。文学を志し上京、栗田寛、鈴木重嶺、上村涼松、福羽美静、尾崎紅葉に師事した。
                  以下省く


〔参考文献岩瀬町町史研究 第2号 仲根隆淳著S54〕
 
文学者、俳人石倉翠葉句碑・桜川事跡考の著者
(3件)
01 石倉翠葉句碑 02 石倉翠葉句碑 03 諷咏堂桜川顕揚記念碑

(5件)
01 公園内のさくら 02 磯部公園若木の桜 03 磯部公園内 04 歌碑
05 付近から加波山と桜川

(3件)
01 二十三夜尊 02 二十三夜尊 03 薬師如来堂碑

2006年4月4日撮影分追加。カゴノキはクスノキ科で茨城では少ない、暖地性。
(7件)
01 神社、横から 02 カゴノ木の古木 03 カゴノキ 04 神社、横から2
05 カゴノキ3 06 土塁・案内板 07 境内の土塁

”つくば山恋明書并名所”貞享四年刊(1687)磯部并さくらの名木の項
以下は”つくば山恋明書并名所”貞享四年刊(1687)の中、磯部并さくらの名木の項片野長次郎著です。〔大正2年復刻版、筆者蔵〕
三百数十年前、水戸光圀の時代に磯部神社の桜はすでにこのような名前が桜のコレクションに付けられていたのですね。


磯部并さくらの名木

卯の花もしら浪と見るいそべかな   正次

みよし野も神そいそべの花さかり

磯辺にてさけのさかなやさくらたい

ちる花や磯辺てひろふさくら貝

花見とてあまのうちのりくるかとはこれそいそへによする舟かな

軒ちかきあたりの滝の聞ゆるはいそへにたへぬ浪のよるかな

まつ白に磯辺の花のちりたるはあまのくみほす塩かとそ見る

ゑほしさくら
  たれもたゞおしおりゑほしさくらかな   重久

  うくひすにきするかゑほしさくらかな   同
きりがやつ
  折人の一念やほつきりがやつ       正次

ふけんさう
   そのまゝに木仏なれやふげんさう    友重

塩かまさくら
   いそべにて見るは塩かまさくらかな   吉則

姥さくら
   おもしろしかしらも白しうばさくら   (同)

玉さくら
   花にをく露こそるりの玉さくら      重次

とらの尾桜
  ちる花におそれてふむや男とらの尾   (同)

手まり桜
   わらんへの目につく手まりさくらかな  (同)

明ほの桜
   わかれ行夜は明ほのゝさくらかな    正次

御法さくら
   落花してすてにみのりのさくらかな   (同)

一夜さくら
   たひぞうき一夜さくらのなかめかな   (同)

都わすれ
   八重一重みやこわすれのさくらかな   重久 

米さくら
   音たかく村雨やうつ米さくら      (同)

熊谷さくら
   花に風月にくまがへさくらかな     (同)

うす桜
   ちる花や米かとそ見るうすさくら   吉正

なら桜 
   八重一重九重に匂ふならさくら    政則

(中略) 

右は常陸国筑波山之名所有増書印
訖此外名所雖多愚意之不及所をは除之而
古人之云伝所計を書付る者也

  貞享四年卯正月吉旦
          作者 片野長次郎

            山本又兵衛板


筑波山恋明書の訳文については菊池真一氏の訳文を参考にさせて頂きました。
菊池氏の筑波山恋明書の訳文です。

(2件)
01 筑波山恋明書・磯部の桜の名木 02 筑波山恋明書・磯部の桜の名木

磯部稲村神社桜川市(岩瀬)と磯部桜川公園 by google maps
kasumigaura.net ”霞ヶ浦の自然”or Nature of lake Kasumigaura by Suzuki Yasuo
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