安食の実家から霞ヶ浦湖岸へ出かけるときはたいてい塙前(はなまえ)の坂道を降りて小津に出ます。坂道に入ると急に霞ヶ浦への視界が開けます。私は、台地から湖岸の低地へ下るときに周囲に開放的な展望に転じるこの瞬間が好きです。季節によって日によって時間帯によってその都度表情の異なる霞ヶ浦を見ることができます。この日は実に穏やかな表情をしていました。ところで、この塙前の坂道の突き当たりにお稲荷さんがあります。坂道は稲荷神社に突き当たり、右と左に分岐します。稲荷神社の一画だけが高くなっています。遠い昔、おそらくはこの道を通すために切り崩されたのでしょう。小津へ抜ける道の側はコンクリートで固められていますが、切り崩された崖はここまでしないと保てないものなのでしょうか。
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