これは、私の実家の畑のすぐ近くにある古墳です。畑からの距離は約30mといったところでしょうか。訪れる人など殆どなく、地元の人でもここに古墳があることすら知らないかもしれません。まるで放ったらかしにされているという感じのところです。ところが、この古墳、歴史的には非常に貴重な遺跡のようで、県指定文化財になっています。ご覧のとおり、横穴式の石室になっています。『茨城県の歴史』(河出書房新社)によると、「県内において、壁画をともなう古墳の数は一六基である。このうち前方後円墳で横穴式石室のものは虎塚古墳、新治郡出島村大師唐櫃古墳の二基だけ」(p.57 注:「大師唐櫃(からびつ)古墳」は「太子古墳」のこと)とのことです。町の資料によると、大正時代に装飾古墳として発表され、注目を集めたとのことです。また、地元では「太子のカロウド」と呼ばれているそうですが、そのような呼び方は生まれてこの方聞いたことがありませんでした。今では石室内の壁画は殆ど何も確認できません。
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