何気なくビデオカメラに捉えられたこの家は、全く平凡な風景以外の何物でもありませんが、大谷石の塀に囲まれているところに特色があります。栃木県内に入ると、このような大谷石の塀の家が急に増えます。かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)周辺でも、屋敷の塀に大谷石が用いられており、こうした大谷石文化圏が水郷筑波一円に広がっていることがわかります。塀には大谷石がいいという価値観は、この地域ならではのものでしょう。個人的には、大谷石は汚れやすく、見た目が汚くなるという欠点があり、それほどいいものだという感じはしません。また、大谷石の需要が、栃木県大谷町で、石の採掘の結果、土地の陥没を起こす要因にもなっているわけです。
|