現在の横利根川は、常陸利根川と利根川を結ぶ水路のようになっています。川幅もそれほど広いとは言えません。『水郷十六島の農民(上)』(箕輪徳二郎著、筑波書林、1980年)では、この横利根川に関する興味深い歴史的事実が指摘されています。「三百年前の利根川は佐原地先、現在の水郷大橋付近で大きくカーブし、横利根−北利根を通って二重谷と加藤洲の二つの洲を中にして浪逆浦へ流れ込んでおり、現在の利根川下流は佐原新川と称する形ばかりの小川が見えるのみであった。」(p. 4) 当時の地理的状況は、相当に想像をたくましくして思い描いてみないと、実感しにくいものです。横利根川のこの北端には、現在、水門が設けられ、常陸利根川に連続しています。横利根川は、茨城県と千葉県の境界線にもなっています。
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