常磐道を北上してかすみがうら市(旧千代田町)から石岡市へ入ると、恋瀬川沿いの低地が進行方向の左前面に急に開けてきます。この区間は、常磐道の中で筑波山を眺望するのに最適な地点です。夾雑物が一切なく、比較的長い時間、筑波山が見え続けます。古代には、この低地が流海(ながれうみ、現在の霞ヶ浦)の流域であったことを想像すると、常陸国府からの筑波山は現在のそれよりも遥かに美しい景観で眼前に迫ってきたのではないかと思います。それにしても、これほどまでに神々しい筑波山を見たことは、いまだかつてありませんでした。雲と陽光がこれほどまでに美しい風景を作り出すとは。自然の造形美に驚嘆するしかありません。
|