石岡市染谷は恋瀬川の流域から龍神山までの広い区域にまたがっていますが、その中心集落は舌状の台地にあります。この周辺の台地にはいくつもの谷津が入り込み、起伏のある地形が展開しています。この染谷の中心集落の北端を過ぎると、小さな谷津に下る坂道となり、次の台地へ上がる坂道となります。染谷の集落を包む豊かな樹木は、屋敷森というよりはおそらく自然の平地林がそのまま住居周辺に残ったもののように思われます。この日は豪雨に見舞われ、台地からは多量の雨水が谷津に流れ来んで来ていました。この沿道はすっかりこの雨水に浸かってしまいました。こうした雨水が大地に滲みて地下水となり、さらには谷津地を伝って恋瀬川へと流れ込み、霞ヶ浦の水となるわけです。『マッピング霞ヶ浦*』の主要な視点の一つ、水のネットワーク「霞ヶ浦*」の風景を染谷の谷津にも見ることができました。
|