ジョン・フォード監督の西部劇ではモニュメントバレーが背景に出てきます。シーンが変わっても同じ山が背景に見えてきます。このことは見た目のつじつまよりも絵になる風景が優先するということです。
映画『米』でも、バスの通過経路をよく考えるとショット間で矛盾があることに気づきます。最初のショット(ショット1)では霞ヶ浦は右手に、次のショット(ショット2)では左手に来ます。これは明らかにおかしいわけですが、観客は都合のよいことに、そうした不自然には気づかずに見過ごしてしまいます。
上の構図はまさに映画と同じショット1です。左手の森と右手背景に見える筑波山地がマッチングします。映画と同じと断言してもいいでしょう。
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