鰐川西岸2.50km地点は、延方干拓の東端と接する延方(徳島新田)のほぼ東端にあります。この地点から南方向を見ると、鰐川の対岸(鹿嶋市鰐川〜神栖市鰐川)はまるで陸続きのように見えます。高圧電線が鰐川を跨いで伸びています。この高圧線の対岸側が鹿嶋市と神栖市のほぼ境界線に位置します。高圧線の伸びる先の対岸が鰐川干拓地です。三角洲の入り江だった鰐川の干拓が完工したのは1933年(昭和8年)のことでした。この干拓は、近世から計画されていたと言います(『茨城県史・市町村編III』、茨城県史編さん市町村部会、pp.300-301)。鰐川干拓のかつての流域は、今となっては想像してみるしかありません。ともかく、鰐川が川のような姿に変わったのは、鰐川干拓以降のことです。さらに、この北側の延方干拓も戦後までは水面だったことを想像してみると、かつてはこの地点が鰐川沿いの場所でなく、三方が豊かな水面に取り囲まれた島のごとき状態であったことがわかります。
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