潮来市延方(のぶかた)の福島集落は、かつての内浪逆浦の口に面した外浪逆浦湖岸にあります。内浪逆浦の狭い流域を挟んで、常陸利根川(北利根川)・外浪逆浦・内浪逆浦に囲まれた島状の潮来十番に近接しています。現在は、内浪逆浦が干拓されて陸続きとなったせいか、湖岸の集落という性格は希薄になったかもしれません。このような回りくどい説明より、東関東自動車道終点の潮来ICの近くにある集落といった方がもっとわかりやすいかもしれません。ところで、福島集落の外れの湖岸寄りの位置に弁財天の森があります。弁財天は、七福神の中で唯一の女性神としても知られています。本来は水の神です。日本各地の海や湖などに弁財天があるのは皆さんもご存じのとおりです。私は、霞ヶ浦・北浦とその下流域を巡ってみて、水神社が湖岸に多いことを知りましたが、なぜか弁財天は私が知る限りでは、福島のこの弁財天だけでした。水田の中にぽつんと存在するこの森は、近世に新田が開発される以前には、洲の小島のように存在し、それが弁財天の島になったのではないかと思います。これは私の想像です。
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