坂道に展開する海老沢の宿は、まるで馬籠の宿のようだ、とは石川さんの弁です。家々の屋根を茅葺に替えたら江戸時代の風景そのものだという指摘、確かにそのとおりです。このような歴史的な街並みは掛け替えのないものです。地元の皆さん、どうぞ大切になさってください。
この日の最大のハイライト「勘十郎堀跡」。人力でこの台地を掘り込んだわけです。よく残ったものだと思いますし、その底に身をおくと、当時の様子なども想像されてきます。話はここでも尽きることがありません。
石川さんは、当時、堀の掘削で捨てられた土が周囲に積まれて現在に残っているに違いないという仮説を思い立ち、その現場を検証しました。確かに堀の周辺は周囲より一段と地面が高くなっていることがわかります。仮説を裏付けているようでした。
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