古い写真を手がかりに地域の歴史を調べていくことは、地域の深い理解に役立つばかりでなく、「地域の豊かさ」を創造する活動そのものとなります。
琵琶湖博物館では、長年に渡り膨大な今昔写真のデータベース化が図られてきました。嘉田由紀子さん(当時は琵琶湖研究所の研究員)と、写真家・前野隆資さんの地域を記録した膨大な生活写真との出会いが、博物館の創設の誘因ともなりました。
古い写真は、かつてはその地域に生きていた人々の知恵や生活文化の記憶を蘇らせる誘因となります。さらに今日では様態を変えてしまった自然環境、社会システムなどを確認する貴重な情報源ともなります。
琵琶湖博物館では数万点に及ぶ写真の収集・保存・活用を行い、画像データベースを情報システムの中核と位置づけてきました。写真は収蔵庫に保管され、デジタル化、画像データベースのインターネット公開など、本格的な情報活用が図られています。これらを接点として、ホタルダス、雪ダスなどの住民参加型の取り組みも行われてきています。
その一方で、霞ヶ浦には、そうした取り組みが皆無に等しい状況です。このインタビューでは、琵琶湖の写真収集活動の立役者でもある嘉田由紀子さんに、写真を集めることの意味、画像データベースの必要性などについてお聞きしました。未来の霞ヶ浦に何が求められるのか、琵琶湖から霞ヶ浦へのメッセージとしてお受けとめください。
(文責:前川道博)
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