メーリングリストk-netへの投稿メッセージから (2003/08/19 前川道博)
「e霞ヶ浦*」はビジョンです。石岡学習会では、改めて情報共有の大切さが投げかけられました。 古い写真、古い地図、はたまた数値地図やGISデータといったものまで、共有できないことの弊害が指摘がありました。 ・資料を貸して欲しいと頼まれて貸し出すと資料が戻ってこなくなり紛失する。 これもその弊害の一つです。 ・資料を保有していると、貸し出し業務が発生して対応が大変になる。
解決策は明らかです。 ・原本は厳重管理。コピー(デジタルデータ)を配布・公開する。 ・ネット上に公開することにより、貸し借りのような煩雑な事務処理をなくす。
航空写真を入手するために国土地理院に赴き、手数料を払う手間とコストを考えれば、ウェブマッピングシステムのようなデータ公開がいかにすぐれているか、は明らかでしょう。提供する側、される側ともにメリットがあります。 「e霞ヶ浦」は、第一にはデータ共有、引いては万人のリソース活用を目指すものです。
しかしながら、おそらくはもっと大切な共有の側面があります。ネットが一人一人の社会への参加を促してくれるという点です。社会活動は何事もそうですが、「参加・交流・創造」です。これまで、出会ったり情報を共有する手段がなかったために、専門分野は細分化してより深く、総括的・横断的に物事を捉える視点を失ってきました。また、活動が別個に存在し、お互いに交流なく来ました。活動の効果も総じて低くなります。研究が目的になると、とかく深く狭くなりがちになります。研究の成果を社会に還元することも難しくなります。かすみがうら*ネットのような場を社会との接点に考えていただくと、自分自身というヒューマンリソースを社会に活かしていきやすくなるのかなとも思うところです。
できるところから始めよう。これが、かすみがうら*ネットのマインドと考えています。自分のものをまずは人に伝える。皆さんもまずはここから始めて見ませんか。楽しさ百倍、です。ITという手段に疎いので、自分ではできない。そういう面もありますが、あまり根本的な問題とも思えません。その前に、自ら出す意思を持つ。自分で出す。こういう意思、マインドがあって、事は進んでいくのかな、と思っています。人にやってもらったら、自分の中から「面白さ」が逃げていきます。この損失が一番もったいないかもしれませんね。 翻って「霞ヶ浦の情報はなぜ少ないか」。情報を発する人が少ないからです。言い換えると、「面白さ」を逃がしている人が多い地域かもしれません。 専門家でないと情報を自ら伝えるのは恥ずかしい。こう思っている方もいるかもしれませんね。これももったいない感じがします。今年になってから進めているビデオクリップ方式の情報提供。これは何だと思いますか。その場、その時の体験を他の人に伝えるものです。リアルな体験をネットに乗せて他の皆さんにも疑似体験してもらおうという趣向です。ビデオは編集したりナレーションや音楽を入れたりしないといけないというのは一つの思いこみ。逆に編集され過ぎると、体験の共有がしにくくなります。誰にでもできる方法を誰にでもできるように試しています。うまくいくことは既に証明されていますね。 ちょっと雑感的に書きました。次のアクションに向けたヒントになれば幸いです。
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