案内文より引用 「元真地の家 1枚だけ残っていた図面(美しい「姿図」です)から 建てられたのは昭和12年と推定される。世の中が戦争に突入する時代にここに住み始め、平成の代まで過ごされた。切妻の重なる玄関周りの屋根に赤い釉薬のかかった洋瓦が葺かれている。よく手入れされた庭側にまわると、5間間口の広い縁側にモダンな細工の藤棚が美しい。杉たて張りの腰板とリシン掻き落しの壁のコントラストが落ち着いた雰囲気を醸し出している。 室内に入ると、終生茶道教授として多くのお弟子さんが通われた二つの座敷がある。選び抜かれた良材といまだ狂いのない職人の技に驚かされる。居間の部分は 普通の材料が使われているが、ハイサイドからの柔らかな光に住まわれた人たちのゆったりと流れる時間の中で落ち着いた生活ぶりが想像できる。まさに小津安二郎の世界だ。以下省略」
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