JR常磐線は旧川口川閘門を跨いで土浦駅構内に入ります。この旧閘門が土浦市の文化財として現在に残されています。川口川の川筋は現在は道路に変わりました。川口運動公園から港橋を経て土浦駅西口の川口ショッピングモール前に出ます。道の曲がり方、周囲の土手の高さ、閘門の下へ潜るように坂道となって入り込む道の構造に旧川筋と閘門の面影が残っています。この道筋の北側に土浦高架道を通しているため、閘門周辺の空間は非常に窮屈な感じがします。『目で見る土浦・石岡・つくばの100年』(1997年、郷土出版社)には、閘門の完成後間もない1907年(明治40年)当時の川口川閘門の貴重な写真が載っています(p.32)。煉瓦造りの閘門と防波堤、川口川沿いの家並が記録されています。確かに、閘門跡は残っていますが、現在のこの風景を見て、霞ヶ浦舟運で栄えた往時の川口町の様子を想像するのは難しいかもしれません。
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