土浦駅前が再開発される以前の大和町には、小さな店舗がびっしりと建ち並んでいました。今村昌平監督の映画『復讐するは我にあり』(1979年)には、戦後間もない頃(あるいは昭和30年代だったかもしれない)の浜松駅前という設定で、映画製作当時の土浦駅前の風景が使われていました。この映画で浜松駅前ならぬ土浦駅前の風景が出てきたのには驚きました。おそらく、駅前通りに店舗が建ち並び、その後、再開発されるまで、その区割りが続いてきたのでしょう。昭和30年代の面影を残していた土浦駅前は「ウララ・ビル」に姿を変え、古い面影は一新されてしまいました。駅前の大和町も振り返ってみればたかだか100年の歴史しかありません。この辺一帯がそれ以前には、茫々たる低湿地、霞ヶ浦流域であったことは想像しにくい状況かもしれません。
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