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2・長床から延命寺二階堂

 次の見学地は今回の会津旅行のハイライトである熊野神社である。休憩所の脇にある駐車場に車を止め、拝観料を払って熊野神社長床に向かった。長床は関東地方にはなく(私の知見による)、初めてみる長床は木割も太く、四方に吹き抜ける柱だけの建築に感動した。この建物が出来た時代の表記によると七間四面と言うのだろうか。現在の表記だと九間×四間である。社伝によると寛治3年(1089)の建立と言われる。長床は拝殿として造られたという。唐招提寺の講堂は奈良の都に造られたという朝集殿の遺構と言われ、元は壁のない建物という。この壁のない空間に多くの人が集まり、紫宸殿に向かって拝礼するイメージなのだろうか。


 長床の後ろに石段がありその上に三棟の本殿がある。この本殿は慶長16年(1611)の大地震の前までは山頂にあったという。この時の地震で長床も倒れ、規模を縮小して再建したという。この本殿もこの時に今の位置に置かれたという。私達がゆっくりとこの本殿を拝観していると同じように拝観の人が来て何を見ているのですかと尋ねてきた。古建築を少し勉強してきた知識を披露し、垂木の反りや木鼻の繰り形などを少し偉そうに解説をした。各本殿の頭貫木鼻はひとつづつ違い面白かった。


 初冬の夕暮れは早い、盆地にある会津はなお暗くなるのは早かった。熊野神社長床をでて、延命寺地蔵堂(藤倉二階堂)に向かった。藤倉の二階堂に着いた時には少し暗くなっていた。裳階の繰り形などを見ると江戸時代かなと思う。室町後期と言う様式を捜したが軒下などは暗くなっていて良く見えなかった。また来る機会を作って改めて見に来ましょうと仲間に云った。

  熊野神社長床  熊野神社本殿 延命寺地蔵堂

 

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