御手洗池へ下るこの坂道は鹿島台地の特徴をよく示している場所ではないでしょうか。古くはここが鹿島神宮の参道だったと言います。霞ヶ浦・北浦の周囲に広がる台地の縁はどこも険しい段丘になっています。30数メートルの高さを一気に下るこの旧参道は、その段丘の険しさを実感させてくれます。ところで御手洗池に降りる坂道の上に芭蕉の句「此松の 実生せし代や 神の秋」の立て札がありました。芭蕉が訪れた地には必ず句が残されています。この句の立て札は、あまり目に触れずに通り過ぎてしまいます。要石の前にある句碑「枯枝に 鴉のとまりけり 穐の暮」(穐は秋の意)は、この句「此松の…」との関連性から建てられたものと思います。
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