近世の潮来を描いた『潮来図誌』(井口庵二峰編)は1839年に記されたようです。この絵図を見ると、潮来の浜町の先には広漠とした湖が広がり、そこに島が点在する状況であったことがわかります。その中では加藤洲と扇島が大きな島を成していることがわかります。下総国・大倉〜佐原辺りの台地が遠くに見えています。潮来と佐原の間は湖で隔てられているだけで陸地は描かれていません。この絵図を見ると水郷の名残を残す加藤洲十二橋の成立はいつ頃なのだろうかという疑問がわいてきます。ともかく現在の加藤洲十二橋は加藤洲閘門によって潮来・常陸利根川とは隔てられ、水位差のある流域として存在しています。
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