父が亡くなった後、実家の物のかたづけをして出てきた物です。孔雀と牡丹をあしらった絵柄が表に描かれています。裏に以下の記念の文言が記されています。
農魂不滅 茨城県知事 竹内藤男著 出島東部土地改良区竣工記念 昭和60年2月吉日
出島東部土地改良区は、私の実家の田圃がある菱木川沿いの水田一円です。昔のままの水田が土地改良によりくねっていた菱木川は直線状に、くねくねしていた畔で区切られていた水田は画一的な長方形の大きな区画に変わりました。有史以来の農村の大変革であったと思います。しかし…
県知事の政策の手柄の記念としてこのような記念品が作られていたのでしょうか。この当時このような社会的な記念品の文化(慣習)があったことが物語られています。何とも、です。
そしてもう一つ何よりも重大なことは土地改良区のシステムが未だに温存され改善が全くなされていないこと。農業従事者が激減しているにもかかわらず、現在も私は土地改良区の維持管理費を支出し続けています。田圃を手放すこともできません。日本の農業が限界にまで来ています。しかし未だに農業再生の政策は何ら講じられていません。行く末が案じられます。
この記念品はそう考えてみると恐ろしいほどの記念碑的遺物です。
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