かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)内では、旧出島村合併前の旧6村の村名が現在、地区名として継承されています。町内では、昔からの慣習で場所を示すのによく集落名を用います。かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)の広報紙「かすみがうら」でも、どこどこの誰々さんという時に集落名を用いています。この慣習は、ムラの文化を表現しているという点で貴重なものかもしれませんが、同時に非合理な面を合わせ持っています。実は、この集落名はなかなかに厄介な代物で、現在、集落名を調査していますが、判然としないところがあります。行政上、かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)内は、6つの地区の下位単位として集落があり、各集落に区長がいて、各地区の運営に当たっています。住所上の地名(かつての大字、小字)は、いずれかの地区に包括しているはずですが、なぜか、地区の下位単位は集落なのです。しかし、一部では都市化が進み、社宅、アパートなどが集落相応の扱いとなっていたりして、昔ながらの集落の概念が通用しなくなってきました。集落が大きすぎて、便宜的に集落内の区域を分割しているところもあります。さらに、各集落は、かつては集落が離れているなどの点で境界が比較的明確でしたが、集落の境界に家が建ったりして、状況をわかりにくくしています。集落は極めて局所的な地域であるため、少し離れた場所の集落についてはよくわかりません。町内に精通している年輩の方であっても事情は同じではないかと思います。集落マップは、実際のところ、住宅地図を見ても判然としません。相当の労力を使って、集落マップを使っても、あまり利用価値はないのではないかと思います。
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