[ 分類(視点)へ戻る | ←← | →→ ] [ 分類(視点) | 撮影日(1998/08) | 登録日(1998/12) ]

湖際を拡張する用水路、そして家庭の水

分類: 霞ヶ浦*への視点
(登録日: 1998/12/07 更新日: 2024/09/12)

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このページのデータはCCライセンス4.0で提供されています。

湖、川、そして用水路


湖、川に加えて、湖際(インターレイク)「霞ヶ浦*」の対象に加えたいものが用水路です。霞ヶ浦*の流域は、湖沼と河川と捉えてしまっていいものでしょうか。私の答は「いいえ」です。茨城県西を主な受給地として供給される霞ヶ浦用水は、このサイトのテーマを霞ヶ浦*にした時から関心を寄せていたものですが、なかなか触れる機会がありませんでした。また、私の故郷、出島地方(新治台地)を潤す出島用水についても触れてみたいと考えていました。霞ヶ浦*から揚水される水は、果てしなく細く長い霞ヶ浦*の一流域を形成します。
 

霞ヶ浦用水


→画像表示 [ Lサイズ ]
撮影日: 1998/08/14 土浦市(旧新治村)小野(霞ヶ浦用水・1号分水工)



筑波山地の麓、土浦市(旧新治村)小野にフェンスに覆われた何かの施設があります。よく見ると「霞ヶ浦用水土地改良区」と書かれてありますね。その上の麓には、霞ヶ浦用水基幹水路吐出水槽という施設があります。筑波山の麓に「霞ヶ浦」とは妙な感じがしませんか。ここには紛れもなく、霞ヶ浦の水が来ています。水を直接見ることはできませんが、これも湖際の一流域を成しているというのが私の霞ヶ浦*観です。霞ヶ浦からはさらに遠方の真壁町には、つくし(筑紫)湖という霞ヶ浦用水の調整池があります。

霞ヶ浦用水は、筑波山を貫通するトンネルを経由して県西、県南地区に主に農業用水として供給されています。面白いことに、霞ヶ浦用水によって潤される水田には、それまでにはなかった植物が生えてきたと言います。水と共に霞ヶ浦の植生が伝播したわけです。
 

出島用水


→画像表示 [ Lサイズ ]
撮影日: 1998/08/17 かすみがうら市西成井(出島用水・第五機場)



出島用水については、「〔98/08〕出島用水をめぐる」をご覧下さい。これをご覧いただければ、台地に水田が開けていることの不思議が解き明かされます。この用水路は、私が子どもの頃から見慣れたものですが、ここに霞ヶ浦の水が流れていることを意識したとたんに、霞ヶ浦*の認識が大きく変わりました。
 

那珂川導水と利根川導水


撮影日: 1997/11/29 石岡市三村(高浜機場)



→画像表示 [ Lサイズ ]
撮影日: 1999/01/16 土浦市木田余(木田余ポンプ場)



石岡市三村の霞ヶ浦湖岸に大きな施設が建設されています。「石岡トンネル」という文字が見えます。これは何だと思いますか。霞ヶ浦の水を水戸市を流れる那珂川に導水する施設です。また土浦市木田余には木田余ポンプ場が建設されています。これは、那珂川の水を霞ヶ浦に導水する施設です。水瓶化した霞ヶ浦の水質を改善することを目的として導水されます。湖際「霞ヶ浦*」の世界観がここでも変わりましたね。

霞ヶ浦*には利根川の水も導水されています。利根川の支流だった霞ヶ浦*に利根川の水が導水されるということは、利根川が霞ヶ浦*の上流としても位置してきたわけです。面白いですね。
 

家庭の水道は霞ヶ浦の下流域


その他、美浦村木原の沖から揚水された霞ヶ浦の水は土浦市大岩田の霞ヶ浦浄水場へ送られ、上水道水として各家庭にも供給されています。つまり、各家庭の水道は、霞ヶ浦*の下流域になっているわけです。湖際の概念を拡張すれば、農業・工業用水、導水に加え、上水道までもがその湖際に含まれるというわけです。「霞ヶ浦の水は大切にしなければならない」という気持ちになりますね。
 

撮影日: 1997/10/10 美浦村木原(取水施設)


[ 分類(視点)へ戻る | ←← | →→ ] [ 分類(視点) | 撮影日(1998/08) | 登録日(1998/12) ]
[ ホーム| | XREF目次 ]
[ かすみがうら*ネット ]
グーグル サイト内検索
[ LinkData『マッピング霞ヶ浦*』ページ一覧マップを見るRDF(Turtle)RSS1.0形式テーブルデータ(TEXT) ]