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(L版)「〔99/12〕冬・霞ヶ浦周辺と鳥たち」について

分類: (L版)〔99/12〕冬・霞ヶ浦周辺と鳥たち
(登録日: 2000/06/05 更新日: 2009/01/10)

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撮影日: 1999/12/31 土浦市田村町


霞ヶ浦の水辺環境と鳥たち


1999年の大晦日、土浦市街から土浦市沖宿町の霞ヶ浦湖岸にかけて移動する途中、数多くの鳥に出会いました。土浦の低地に広がるハス田、湖岸の葦原などが鳥の棲息環境・餌場環境になっています。湖岸には護岸堤がめぐらされ、昔ながらの水辺環境はもはや存在していません。手野から田村にかけての岸辺は護岸堤の外側に造成された人工的な環境です。土浦に特有の環境・ハス田は、レンコンの農作地がサギなどの鳥の餌場環境となっているわけで、レンコン栽培が行われなくなれば、この鳥たちもその餌場を失われる危うさがあります。霞ヶ浦は富栄養化の湖としての宿命があります。高度経済成長期にあった1970年代から1980年代にかけて、霞ヶ浦の治水・水利管理が誘因したと考えられるアオコの異常発生は深刻な社会問題となりました。その頃に比べれば、現在は水鳥が棲息できる程度にまで水の綺麗さは回復しています。このような自然環境の危ういバランスの中で、これらの鳥たちは霞ヶ浦に棲息環境を得ているわけです。

この日、実に多くの鳥を観察することができました。はっきりと種類を確認できたものは、カワラヒワ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、コサギ、ムクドリ、オオバン、モズ、ホオジロ、アトリ、アカハラ、ユリカモメ、シメ、カイツブリ、ツグミ、オオモズ、種類まで見分けられなかったものは、アマサギ(ダイサギかもしれない)、以上17種類です。この他、カモは全てシルエットのため種類は確認できませんでした。おそらくコガモ、マガモなどでしょうか。手野・石田の湖岸にはコジュケイもいたようです。カラス(たぶんハシボソガラス)なども見ていますから、おそらく20種類以上の鳥を実際に目にしたのではないでしょうか。

これまで鳥を捉えた映像は、「地域追体験シリーズ」とは別の分類「鳥のアルバム」に括り出してきましたが、今回、その数が多いことから「地域追体験シリーズ」に鳥を含める構成としました。
 

西暦1000年代最後の大晦日


1999年の大晦日は、歴史的には特別な区切りを与えられた記念すべき日です。「〔99/12〕冬・霞ヶ浦周辺と鳥たち」は、平安時代以来1000年続いた西暦1000年代に幕を降ろす最後の日の記録ともなっています。特にこれを記念しようというほどの意図もありませんが、土浦のピアタウンに買い物に行ったついでに日頃見慣れたかすみがうら市(旧霞ヶ浦町)〜土浦市の霞ヶ浦周辺の風物をカメラに捉えました。まさかこれほど多くの鳥たちに出会うとは思わず、「野鳥」特集のような内容になりました。多少こじづけめいた言い方になるかもしれませんが、このような霞ヶ浦の環境が私の「21世紀に残したいもの」、さらには「次の西暦2000年代に残していきたいもの」です。
 

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撮影日: 1999/12/31 土浦市沖宿町(土浦入北岸から見る夕陽)


冬の土浦入北岸と陽光との関係


土浦市街から手野〜田村〜沖宿、さらにかすみがうら市戸崎〜加茂〜牛渡にかけての霞ヶ浦湖岸は土浦入の北岸になります。この日の翌日、2000年元日には加茂〜牛渡〜坂にかけての早朝の風景を捉えました。冬の太陽は低く昇り、低く沈みます。日の出は南東から日が昇って逆光となり、日の入りは南西に沈んで逆光となります。ほぼ1年前の1999年元日の昼11:00頃、土浦入湖上から捉えた風景も北岸の風景が順光で鮮明に捉えられたのと対照的に南岸(土浦市大岩田〜阿見町〜美浦村)は常に逆光でした。要するにカメラを湖に向けると一日中、逆光気味になるのが北岸のロケーション(自ずとカメラは南に向く)なのだとわかりました。見方を変えれば、朝日と夕陽の美しいのが北岸です。

北岸・南岸のこの関係は他の流域でも同じです。冬、高浜入北岸(行方市(旧玉造町)〜玉里村〜石岡市高浜)をめぐった時も湖の方向(南方向)に向けたカメラは常に逆光でした。この方角の関係は、美しい霞ヶ浦の風景を考察する際のヒントになるのではないでしょうか。
 

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