この地点から見えるのは潮来市延方・米島集落の周辺と延方干拓(前川干拓とも言う)の前川集落の辺りです。こうやってみると、位置関係、距離感覚があいまいで、その境目が判然としません。現在の前川以南は旧延方村のうち、徳島新田と呼ばれた地域に当たります。潮来市延方は、現在もなお潮来市辻と接する延方(旧延方村の本村)とこの区域の延方(旧徳島新田)とに分かれています。二分された延方を河口が2kmもある前川によって隔てられ、サッパ舟で本村との間を往来するのが大変危険であったことなどが誘因となって、前川河口域の干拓(延方干拓)が発案されたと言います(『茨城県史・市町村編III』、pp.398-400)。現在では、徳島新田と延方干拓の境界は全く区別がつかなくなってしまいました。ところで、送電線がこの付近を通っています。鹿島港にある鹿島発電所から鹿島変電所を経て鰐川を渡り、この地点、米島から旧牛堀町方向、旧潮来町方向、香取市(旧佐原市)方向へ分岐して伸びています。この送電線の数の多さが、この米島の目印にもなっています。
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