新生開拓の外れ、出島揚水竣功記念碑の前で、出島用水は直角に曲がり、土浦市白鳥町を経由して手野町、そして霞ヶ浦へと続きます。私もこの用水路に沿って、記念碑前の交差点を左折しました。このまま、用水路沿いに進んでいくつもりでしたが、進行方向の右手に「出島土地改良区事務所」という看板の掛かった建物があるのに気づき、立ち寄ってみることにしました。昔から何度も見た記憶のある建物ですが、この時、これが出島用水の事務所だったことを初めて知りました。私は、この地区とは縁もゆかりもなかったはずですが、昔、この庭で遊んだという記憶があります。隣の小屋の佇まいがそのような記憶を呼び起こしました。あるいは、別の場所の記憶だったかもしれません。不思議な「デジャ・ヴュ」の感覚にしばらくとらわれていました。ご覧の通り、外は廃屋のような佇まいをしています。建物に絡まりついた蔦が時の経過を伝えています。かつては集会場としても使われていたことが伺えます。事務所は、牛渡に移転しましたという貼り紙もありました。私の理解では、これまで全く別なものと考えていた「霞ヶ浦用水」と出島用水の関係をここでも知ることができました。牛渡に移転した出島土地改良区の新しい事務所の外観は、別ページに掲載してあります(→「出島土地改良区の門」)。
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