『マッピング霞ヶ浦*』1999年を振り返る
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(登録日: 2000/01/05 更新日: 2024/09/12)
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撮影日: 1999/01/16 土浦市川口二丁目・川口川閘門跡(1999年の企画の一つ「〔99/01〕土浦・水郷都市の面影をたどる」)
It's Automatic
1999年はその前年よりも『マッピング霞ヶ浦*』に割ける時間がさらに少なく、かなり不本意なままに1年が過ぎてしまったという印象です。それでも10,000ページを超えるページを新たに追加しましたので、それなりに前進はできたと肯定的に見ることにしましょう。1999年の初め、宇多田ヒカルの「Automatic」という歌が流行りましたが、"Automatic"とは、方法や手順などをあまり意識することなく、その行動が自然に繰り出されるようになる状態を意味するものと思います。『霞ヶ浦*』もその意味では"Automatic"な段階に移行して軌道に乗っていることを証しているようにも思います。実はこの年、別サイト『東北どこまでが雪景色?』などで、Webサイト生成のオートマティズムをさらに押し進めた試みをしました。「時間があれば、やりたいことはいくらでもある」というのが私の気持ちですが、現実にはそうできるだけの時間的余裕はありません。いくらでもオートマティズムは推進したいという気持ちが更に強くなります。
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ページ増大と共に増大する知識
1999年の前半は土浦を中心とした2つの企画「〔99/01〕土浦・水郷都市の面影をたどる」「〔99/01〕元日の霞ヶ浦遊覧 」で過ぎてしまいました。土浦から視点を替えてみたいという気持ちもなくはありませんでしたが、実際に土浦という地域の情報量の多さを処理するには、とても半年では終わらないというのも実感しています。これらの企画を通して、私の興味が地域の表層的なところからより見えにくい対象へと移ってきていることも感じています。これは、画像というデータをデータとして処理するのか、知識形成に関わる情報の深部へと入り込むかの選択の違いから生じていることでもあるので、この点ではページ制作が知識増大へとつながる手段として"Automatic"に適用できていることの証しかもしれません。『マッピング霞ヶ浦*』の開始時点から考えていた「生涯学習のモデルケース」という目的が、実現できつつあることも感じています。
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教材サイトとしての展開
生涯学習の成果を手軽にWeb化していくことが、学校教育における「総合的な学習の時間」の学習支援にも役立つことは前々から考えているところです。ただ、学習のヒントを提供したり、素材を提供したりすることは考えるほどに易しいことではなく、人がその教材的価値を感じ取ってくれなければ、give and takeの関係は成り立ちません。このための仕掛け作りは構想としてはあっても、それを具体化するための十分な時間が取れないことは切実な問題です。「PopCorn」を用いた生涯学習支援と分散データベース環境の実現、これが当初からの大きな懸案事項です。この課題は2000年以降に持ち越しとなりました。
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岐阜県生涯学習への展開
岐阜県社会教育施設情報化活性化推進事業では、1997年から3年間の計画で地域学習支援に対する取り組みが行われています。1999年、この岐阜県の取り組みと不思議な縁があって、Multimedia Mapping支援ツール「PopCorn」を用いた研究支援のお手伝いをすることになりました。その地域の自発的な意思によって地域学習の試みが展開されるのは大変意義深いことです。『マッピング高山』『マッピング河合』『マッピング谷汲』という3つのWebサイトが「PopCorn」を用いて自動生成されます。これは、上で述べた生涯学習支援と分散データベース環境の実現という私の研究目的にも合致しており、早くも2000年には岐阜県の成果が公開されることになっています。私の大学のある山形県、またこのサイト『霞ヶ浦*』の地元・茨城県を岐阜県が追い越す展開となりましたが、情報化に対する地域のこうした温度差が早く解消していくことを願いたいものです。
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