「霞ヶ浦の魚はどうなっているの?」コイヘルペス問題が大きく報道されて以来、琵琶湖や宍道湖など、他の湖沼の人たちから聞かれても、コイ以外の魚についてはわからないと答えるしかない。 地元の私たちでさえ、どこにどんな魚がいるのか知らないのが現状である。 漁師も釣り人も、霞ヶ浦をあきらめてしまったのではあまりに淋しい。 霞ヶ浦市民協会では地球環境基金の助成を受けて2005年から2006年の2年間、漁師に舟を出してもらい乗船した市民が取れた魚を調べる「1日漁師」と過去の情報を手がかりに在来魚の生息状況を霞ヶ浦の周辺101箇所について調べた「在来魚希少魚調査」を実施した。 漁師の網ではウナギやサケが取れ、驚くほど豊かな霞ヶ浦を体験できた一方、かつて霞ヶ浦に普通にいた日本固有種のゼニタナゴを見いだす事ができなかったという現実。豊かな生態系の保全と希少在来魚の復活に対して市民はどう取り組むべきか? どのように地域で価値観を共有し、目標を設定して行動できるか? 調査報告をかねてシンポジウムを開く事になった。参加者とともに霞ヶ浦の魚について真剣に考える場としたい。
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