享保年間の土浦城郭図(土浦市立図書館所蔵)は近世の土浦の町の姿を伝える貴重な資料であることから、『土浦市史』など、数多くの文献に転載されています。この地図を見ると、土浦藩の城下町として形成された近世の市街は、現在の土浦市大手町、中央一・二丁目、城北町、立田町がほぼその範囲であったことがわかります。城下には数多くの川筋と濠がめぐらされた水郷都市の構造をしていました。この城下に水戸街道が入り、城下の南に大町、北に真鍋が街道沿いの集落を形成していました。現在の田中一〜三丁目、文京町、千束町、生田町、桜町一〜四丁目、大和町、川口一・二丁目、東崎町は沼地、泥田、湿地帯、霞ヶ浦の流域が広がる一帯であったことがわかります。
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